2022/6/9
by Cecile Monico from Luxoft (翻訳・要約:熊田 清志)
※本稿は、DXC Technologyのグループ企業であるLuxoftの記事を翻訳・要約したものです。出典:Perpetual KYC — keep on top of client monitoring
パーペチュアルKYC(pKYC)とは
パーペチュアルKYC(pKYC)は、従来のKYCよりスマートな顧客管理プロセスです。従来の顧客管理では、顧客のリスクレベルに応じ、定期的にリスク評価を見直すのに対し、pKYCでは、顧客のデジタル・プロファイルを作成し、顧客情報をあらゆるデータソースから収集し、変更の都度、ワークフローに基づき、即座に顧客の評価見直し・レビューを行うことで、常に最新で正確な顧客管理ができます。リスクが高く、複雑な場合を除き、人間の介在は不要で、業務が自動化されます。
pKYC 導入による業務変革
pKYCの導入にあたっては、顧客評価の流動的な変化に効率よく追随することができます。従来の定期レビューを中心としたKYCでは業務量を予測可能でしたが、pKYCでは顧客情報の変化がいつ発生するか予測が難しいため、業務量が突発的に増加する場合に対応可能な運用能力が必要です。また、pKYCでは、マネーローンダリングだけでなく、法務、税務など、さまざまな側面から顧客を評価できるため、複数の関連する部門が関与することになります。このような他部門にまたがる複雑な業務をワークフローで設計し、自動化することでエンドツーエンドのKYCプロセスの効果を発揮させることができます。
規制当局の期待への対応
pKYCを採用することにより、金融機関は、規制当局からのの期待にも応えることができます。従来のKYCでは、顧客のリスク・レベルに応じて、1年、3年などの定期的な間隔で顧客評価を行うため、リスク監視を実施するまでの間隔が長すぎる場合があり、顧客の状況変化を適切に把握できず組織的金融犯罪のリスクにさらされる可能性がありました。規制当局は、銀行がより積極的かつ堅牢なアプローチを取り、正確で最新の顧客情報に基づいた顧客のリスク監視を望んでいます。 より動的な方法で実行するpKYC により、リスク監視のレベルを高めることができます。
pKYC導入のメリット
pKYCを実装することで、金融機関は、自動化と高リスク顧客の調査へのリソースの再配置により、運用コストを削減することができます。pKYCは、リスクの回避とモニタリングの強化を目的に、より強力で体系化された管理態勢の構築につながります。さらに、pKYCの導入により、営業部門は顧客の状況の変化を、アップセルまたはクロスセルの機会にすることで、販売機会の拡大にもつなげることができます。
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